一般社団法人 文化知普及協会
The association for diffusing cultural wisdom,a general corporation aggregate
トップ頁掲載論文の更新について 2019年12月15日 境 毅(文化知普及協会会員)
私は、今世紀直前に、社会運動の綱領について検討し、貨幣生成の無意識のうちでの本能的共同行為から抜け出すためには、一枚の絵を作成し、それをたとえば居酒屋に掲げておく、ということを考えました。この一枚の絵はなかなかできなかったのですが、2018年末から2019年にかけて、商品という社会的象形文字を読む、という作業の中で下書きができました。一枚の絵にはなってはいませんが、この下書きから作ろうということです。
ところで、今年の夏に大連でのフォーラムの報告を作成し終り、そのあと中国のデジタル経済の発展に注目し、それを調べているうちに、とんでもないことに気づきました。現代世界における不均等発展の特徴が見えてきたのです。先進国では従来有線のインターネットでデジタル経済が形成され、しかも高度消費社会が出来上がった中でのモバイル革命で、新しく登場したEコマース市場は既存の商圏とのパイの奪い合いであり、かつ既成の信用制度も含めた抵抗勢力が存在しています。これに対して後進国である中国やインドやアフリカは、有線のシステムが普及していず、高度消費社会も未形成な中で、突然モバイル革命による無線のスマホがインフラとして出現し、安価な無線基地を全土に張り巡らせることで、抵抗勢力もないところでデジタル経済を全土で発展させ、それがもろGDPの増大となっているのです。
従来の不均等発展は、軽工業から重工業への産業転換における覇権国の交代であったり、戦後は、先進国への後進国のキャッチアップといった事態でしたが、今日の局面は、デジタル経済とそれがつくりだす新しい信用制度の領域で、後進国がカエル跳びで、先進国を置き去りにしようとしているのです。この問題は今後早急に煮詰める必要があります。
さて、今回は従来のトップ記事を更新することにしました。2019年11月の大連海事大学での第1回中日韓マルクス主義フォーラムでの私の報告で、商品という社会的象形文字を読む、ということについての内容が改善されています。比較検討できるように、旧トップ論文も保存してあります。